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本の手帖

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「冠・婚・葬・祭」 中島京子

冠・婚・葬・祭冠・婚・葬・祭
(2007/09)
中島 京子

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世はすべてこともなし…とは、なかなか行かない。
人生の節目節目で、起こった出来事、出会った人、考えたこと。
いろいろあるけど、ちゃんと生きよう。そんな気持ちになる4つの物語。


普段の生活の中で大事なこととはいえ、どこか煩わしくも感じる”冠婚葬祭”。
本書は「冠」「婚」「葬」「祭」それぞれをテーマに1話ずつの短編になってます。
「冠」にあたる「空に、ディアボロを高く」は、地方新聞の新米記者が主人公。
成人式を取材し記事が新聞に掲載されたもののその記事というのは自分の目でしっかり見て、
しっかり伝える、という一番大事なことを怠ってしまって載せた記事。
その記事が原因で事件が起こり、新米記者は新聞社を辞めることになってしまった。

新米記者の最悪な状態から話が始まるもののある人との出会いで
とても前向きで空が晴れていくような清清しさを感じる作品になってます。

「婚」かつてお見合い結婚がまだまだ普通だった頃、三十歳で初めて良縁をまとめ、
以来三十年間「お見合いおばさん」として生きてきた菊池マサ枝。
それが昨今では結婚はお見合いで・・・ということもなくなりつつ
引退を決めていた彼女のところに1枚の写真が女性本人によってもたらされた。
写真を預かりつつもまとめる自信はあまりなかった。
それがある日、もう1枚写真が彼女のもとに舞い込んできた・・・・。
その2枚の写真がもたらしたものは・・・・。

これから結婚を・・・と考えてる男女の想いを書きつつ、
亡くなった夫との結婚生活を振り返って懐かしむ菊池マサ枝の想いが
とても良かった。

「葬」老人施設で宇都宮さんというひとりのおばあちゃんの葬儀(お別れ会)が行われた。
その葬儀に出席した佐々木直之は三ヶ月ほど前に会社の命令で
ある男性の葬儀に宇都宮さんをお連れして、火葬場でお骨拾いをするのを見届けて
またグループホームまで送り届けること、という仕事を果していた。
宇都宮さんと佐々木直之が会ったのはその時だけであった。

佐々木は会場までの道程、葬儀の間の会話から宇都宮さんのこれまで生きてきた姿を
少しだけわかったような気がした。
そして宇都宮さんは佐々木と葬儀に向かうまでのことを
”楽しいドライブ”だったとずっと施設の人に話していたそうだ。

葬という悲しいテーマでありながらどことなく温かい気持ちになる話だった。

「祭」今は誰も住んでいない母親の田舎にある一軒家。
その家を取り壊すことになり、三姉妹は最後のお盆をこの家で迎えることにした。
その土地の古い風習でお盆を迎えようとし
分からないなりにも昔を思い出し準備をする。
それぞれに家族を伴いお盆の準備をしているところに
懐かしい人々が訪ねてきたりして、姉妹の知らない昔話を聞いたりする。
そしてお盆の三日間が過ぎていく・・・・。

ほのぼの、じんわり、
なんとなく大切なことに気付かされたような話だった。


日常の中に普通にある”冠婚葬祭”、
その中には忘れかけていた人と人の大切な想いがある。
その忘れかけていたものを思い出させてくれるような一冊だった。
中島京子さんは日常の中にあることをとても上手く書かれる作家だと思う。
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[ 2011/10/09 18:50 ] な行の作家 中島京子 | TB(0) | CM(0)
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