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本の手帖

読んだ本・好きな本を書き集めた手帖です。

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「九つの、物語」 橋本紡

九つの、物語 (集英社文庫)九つの、物語 (集英社文庫)
(2011/02/18)
橋本 紡

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大切な人を、自分の心を取り戻す再生の物語
大学生のゆきなのもとに突然現われた、もういるはずのない兄。
奇妙で心地よい二人の生活は、しかし永遠には続かなかった。
母からの手紙が失われた記憶を蘇らせ、ゆきなの心は壊れていく…。


大学生の藤村ゆきなは本好きの兄の部屋で本を読んでいた。
そこへ突然、長い間会っていなかった兄が入ってきた。
おかしいと思いながらも兄は料理を作ってくれ、一緒に食べる。
そんな風に始まるこの話は、九つの話に分かれていて
それぞれ太宰治、永井荷風などの純文学の作品名が付けられている。
第一章 泉鏡花の「縷紅新草」の最後でゆきなは、
「お兄ちゃんは2年前に死んだはずよ」と口にする。

その後、ゆきなと兄は奇妙ながらも楽しく二人で暮らす。
兄は美味しい料理も作ってくれ、幽霊であっても他の人にも兄の姿は見える。
そして公園には兄の付き合っている恋人もいる。
ただその恋人は公園に住む呪縛霊の女性というのが少し切ない。
ゆきなには違う大学に通う香月くんというボーイフレンドもいた。

読み進めていくにつれどうして両親が不在なのか・・・
どうしてゆきなは母のことを恨んでいるのか・・・
という事もわかっていく。
そしてある日、母からゆきな宛に手紙が届く。
その手紙には ”兄が死んだことに責任を感じているゆきな・・・・”
という文字があった。
実はゆきなは兄がどうして亡くなったのかということが記憶の中から消されていた。
母からの手紙で兄の死の原因がわかった。

手紙を読んだゆきなは次第に心が壊れていく。

ラストは悲しいけれどきっとこの有り得ない兄との生活は
ゆきなの心にずっと残り、兄は優しく語り掛けてくれるのだろうと思いました。

橋本紡さんらしい繊細で優しい話でした。
ただ母親からの手紙があまりにも一方的な想いで書かれたものであり
少し信じられなく思いました。
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[ 2011/08/28 18:44 ] は行の作家 橋本紡 | TB(0) | CM(0)
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