FC2ブログ

本の手帖

読んだ本・好きな本を書き集めた手帖です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

「しずかな日々」 椰月美智子

しずかな日々しずかな日々
(2006/10/03)
椰月 美智子

商品詳細を見る


講談社児童文学新人賞受賞作家の感動作
人生は劇的ではない。でも、どんな人にもその人生を生きる誇りを得る瞬間がある。
少年の姿をていねいにトレースした、やさしい目線あふれる健やかな小説。


母親と二人暮らしの枝田光輝は小学五年生。
内気でおとなしく目立つこともいじめられることもなく存在感の薄い少年だった。
新学期が始まって早々、後ろの席の押野から「3丁目の空き地で野球をやろう」と誘われた。
それまでの光輝は友達から誘われることもなくアパートで母の帰りを待つ少年だった。
光輝を誘った押野は明るくクラスでも人気者、
光輝と押野は少しずつ仲良くなり空き地で他の友達とも仲良くなった。
初めて付けられた”えだいち”というニックネーム、野球、
友達が出来た事で少しずつ自信がついていった。

そして光輝の世界が広がりかけた時、
母親が仕事を辞め友人と新しい仕事を始めると言った。
そしてその仕事を始める為に引越しをしなければいけなかった。
光輝は引越すことは嫌だった・・・その為に光輝は心を閉ざす。
そんな光輝の心の変化に気付いた担任の先生が中に入り光輝は引越しをしなくてもよくなった。
しかしそれは母とは別々に暮らし
光輝が今までに一度しか会ったことのない祖父との生活をするということだった。

夏休みが始まったと同時に祖父との生活も始まった。
祖父の家は古い家だった、それでも祖父の丁寧な暮らしぶりがうかがえ
祖父と少年の生活はゆっくりだけど馴染んでいく・・・・。


祖父、友達、古い家、
丁寧に描かれた夏の情景が凄く良かった。
そして祖父、友達との関わりで静かに少年へと成長していく光輝の姿が眩しかった。

母の新しい仕事というのがどうも怪しい感じがする(新興宗教か?)のだけど
この夏を体験したことによって”確かなもの”が少年にはわかったと思う。


最後、大人になった少年はあの夏を振り返り思う・・・

   ぼくは縁側に座って、水まきあとの土の匂いを胸いっぱいに吸い込む。
   そうすると、ぼくはいつだってあの頃に戻れるし、
   今の頼りない自分ですら誇りに思えてくるのだ。
   人生は劇的ではない。ぼくはこれからも生きていく。



静かだけどとても力強い作品だった。
私もきっと水まきをした時、この一冊を思い出すだろうと思った。

余談だけど・・・
少年とおじいさんの話で思い出すのが湯本香樹実の「夏の庭」
久し振りにまた読みたくなった。
スポンサーサイト
[ 2011/08/10 23:23 ] や行の作家 椰月美智子 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。